「ここへおいで…」








柔らかい間接照明に照らされた豪奢なホテルの一室。
通りに面した大きな窓からは、いかにも古き良きヨーロッパと言った風情の石畳

の町並みがすっぽりと視界に収まる特等席。
分腐不相応な程、広々とした間取り。
ゆったりとした応接セット、大きなキングサイズのベッドに、品の良い調度類。
何もかもが、決して派手ではないのに高級な事を感じさせる。

この部屋が、今のハジに対する世間の評価なのだと思うと、昔…旅の途中で身を

寄せ合った廃屋がどこか懐かしくさえ感じられた。
重厚なドアを開けて一歩室内に足を踏み入れると、うっかり毛足の長い絨毯にヒ

ールの足元を取られそうになる。
小夜は気を取り直したように、背をしゃんと伸ばした。
けれど、自分一人の空間に戻ると緩々と全身の緊張が抜けてゆくのが分かった。
大して物など入らない小ぶりなパーティーバッグをぽんとソファーの上に投げて

小夜はふと顔をあげた。
見事な装飾が施された大きな姿見に、ほんの少し疲れた表情の自分の姿を見付け

て、小夜は尚更気を取り直す様に、まっすぐにその鏡の前に立った。
今夜の為に準備したバラ色のドレス。
本当はもっと渋く落ち着いた色にした方が良いのではないかと思った小夜に、こ

れを勧めたのはハジだ。
程良い光沢のあるシャンタン生地が、小夜の体の線に沿って美しいドレープを描

き、足首までを包んでいる。大きく開いた胸元を包むように淡色のオーガンジー

をふわりと纏い、背中には大きなバラの花を象った同色のリボン。
うっすらと施した化粧、艶のある口紅の色。
いつもの自分とは、掛け離れた鏡の中の自分に向って、ほんの少し微笑んでみた

けれど、その微笑みはどこかよそよそしくて、疲れた感は否めない。
歩きにくいハイヒールを、小夜は思い付いたように脱ぎ捨てると、窮屈な爪先が

解放されて、漸くほっと息をついた。
早く化粧を落としたい。
もういっそ脱いでしまおうか…。
一人なら、迷う事などないというのに…。
小夜はしばしためらうと背中のファスナーに伸ばした指先をおさめ、ぽすん…と

スプリングの利いたベッドに腰を下ろす。
そのまま、ドレスが皺になるのも構わず、小夜は後ろにひっくり返った。
 
□□□
 
動物園の昔から、小夜はハジのチェロが好きだった。
元々は小夜が嗜んでいたそれを、小夜自身がまだ少年だったハジに手解きしたの

だ。
それがいつの間にか、ハジの腕前は小夜をゆうに追い抜き、今では世界中のオー

ケストラからソリストとして招かれる程の演奏家として名を成しているのだ。
元々、その体に流れるロマの血が音楽に彼を駆り立てるのか、天賦の才に恵まれ

ていたのか…。最初こそ教師である小夜に対して反抗的だったものの、時に教え

る立場の小夜が舌を巻くほど練習熱心で、彼の背が小夜を追い越す頃には完全に

その立場は逆転していた。
あの頃のハジは、まるで乾いた大地の様だった。
降り注ぐ雨を深くその身に吸うが如く、見る間に演奏技術を身に付けた。
勿論、ハジがチェロを弾くのは小夜やジョエルに望まれた時だけで…その頃の小

夜は、彼がプロの演奏家になるという可能性を考えた事すらなかった。
小夜は、ハジの弾くチェロの音が好きだ。
長い戦いの最中にあっても、ハジは片時もチェロを手放す事無く小夜の傍らにあ

って、彼女だけの為にチェロを奏で続けた。
しかし時は流れ、今はもう戦う必要すらない。
三十年後、長い休眠から覚めた時、無くしたと思っていた愛しい男は、チェリス

トとしての活動をスタートさせていた。
沖縄の路上で演奏をしていた所を通りすがりの音楽関係者の目に留まった事がそ

もそもの始まりらしい。勿論、彼の美貌が一躍買っている事は間違いない。
それでもずっと長い間、ハジは頑なに表舞台に立つ事を避けていたのだという。
それは、つまり主である小夜に許しを得ていないから…という理由の他に、自分

が翼手であり何年経ってもその容姿が変わる事無く、人として人間の世界に生き

るにはあまりにも自身が異質であると言う理由も含まれていた。
小夜はぎゅっと両腕で自分の体を抱き締めた。
そして、左手をきらきらと輝く天井のシャンデリアに翳す。
薬指にはハジから贈られた大切な結婚指輪。
シンプルなプラチナの流れるようなラインがきらりと光を反射する。
内側には小さなサファイアが象嵌され、ハジの名前が刻まれていて…。
そして彼の左手の薬指には、小夜とお揃いのそれが光っている。
どうして反対できるだろう?
ハジはチェロを弾く事が心から好きなのだ。
やっと訪れた平和な暮らしの中で、そうして音楽に生きる事は彼にとって口には

出さずとも長年の夢だったのではないのだろうか…。
休眠から覚めた小夜に目覚めの血を与え、過去には一度も口にした事のない愛の

言葉を小夜の耳に囁いた。
永遠の愛を誓い、小夜の足元に跪き求婚した。
それから暫くの月日を置いて、目覚めた小夜が落ち着きを取り戻し体調が安定す

ると、少し困った様に控え目に愛する妻に事情を説明すると、チェリストとして

活動する許しを請うたのだ。
小夜が長い休眠から覚めた時、ハジはやはり変わらずに小夜の傍らにあった。
無くしたと思っていた愛しい人。
彼が小夜にそう願ってくれるのと同じ様に、小夜もハジの幸せを願っている。
だからハジがそんな風に自分のしたい事を主張してくれる事が嬉しくもあり、大

好きなハジのチェロが世間に認められる事も誇らしかった。
けれど…。
小夜はドレスのままゴロンとシーツの上で寝返りを打った。
枕元のナイトテーブルの上には、数冊の書籍が几帳面に揃えて置いてある。
眠る事のないハジが眠りに就く小夜の傍らで過ごす時に読むものだ。
小夜は背伸びする様に何とか腕を伸ばしそれを手に取る。
誌面には難解な文字列がびっしりと並んでいて、それが何語であるのかも小夜に

は定かではない。眠らないという事は、勤勉で好奇心旺盛な彼にとってはまるで

辛い事ばかりではないのかも知れない。小夜の眠っている間に、彼は多くの本を

読み、多くの言語を学び、勿論音楽を奏でては作曲をする。その知識欲を満たし

てゆく。
本来の彼は、少年の頃と何一つ変わらず、小夜からチェロを学んだ様に、あらゆ

る分野の知識を、吸収し続けているのだ。
細かい文字の並んだ分厚い本を細い腕で戻すと、小夜は大きな羽根枕を抱き締め

た。
ああ、自分はハジがこんなにも好きなのだ。
ハジが文字を目で追う時の俯く瞳が好き…長い睫毛が際立ってほんの少し影を落

とす。
時折前髪をかき上げる指先や、かっちりとした肩、広い背中。
小夜はハジを想って瞼を閉じた。
ハジはまだ帰らない。
 
□□□
 
「小夜…。小夜…」
控え目な優しい手がそっと肩を揺らした。
低く響く優しい声音。
小夜はそうして初めて自分が眠ってしまっていた事に気がついた。
うっすらと目を開けると、穏やかな笑顔で、ハジが少し眉を下げた。
上質な仕立ての燕尾服は数時間前舞台に立っていた時と同じ出で立ちだ。
「ハジ?」
「いくらベッドの上だとは言え、布団も被らずに転寝しては体に障りますよ。ご

気分は如何ですか?」
「もう大分良いわ…。私、寝てたの?」
「ええ、すみません。すっかり遅くなってしまって…」
僅かにアルコールと煙草の香りを漂わせて、ハジが申し訳なさそうに謝罪する。
「…気にしないで」
演奏会の成功を祝う打ち上げには、客演の彼に対する労いの意味も多大に含まれ

ているのだから、引き留められれば人の良い彼の事だから途中で抜ける事など出

来なかったのだろう。
それにハジのチェリストとしての将来の為には、恰好の社交場でもある。
それは分かっているつもりだったけれど。
「お疲れですね。熱いシャワーを浴びますか?日本の様なバスタブではありませ

んが、少し待って頂ければ、お湯を張りますが…」
「ごめんね」
「何を謝るのですか?小夜…」
「………だって」
気分が悪いなどと言うあからさまな仮病を使って、パーティーを先に退出してし

まったのは小夜の我儘だ。それもハジが彼のファンだという社交界のご婦人方に

囲まれている時に黙って託だけを残し、ホテルに戻ってしまった。
「ハジこそ、疲れているでしょう?先にお風呂に入って良いよ。ずっと着替えな

かったんだね…」
「着替えるまでもなく、すぐに失礼するつもりだったのですが…」
そう言って横になった小夜の隣に腰を下ろして、そっと覗きこんでくる深く青い

瞳。
彼の黒い絹の様な髪を、今はまるで動物園の頃の様に肩で遊ばせている。長い髪

を耳にかける、額に落ちかかるこの前髪が小夜は好きだ。
無意識にかき上げる指の仕草も、その下の柔らかな色の瞳も。
こうして演奏家として活動を始めて以来、舞台に上がる度に彼は正装する。
だから燕尾服姿のハジはもう見慣れたつもりだった。
けれど、こうまじまじと見詰められては、胸が苦しくなってしまう。
それとも、あまりにも彼を好き過ぎて自分の方がどうかしてしまったのだろうか

…。
「ハジなんか、クマにでもなっちゃえば良いのよ…」
勢いに任せて小夜の唇から飛び出した台詞に、ハジは一瞬目を見開いて…けれど

すぐに柔らかな笑みを取り戻すと、真面目な表情で言った。
「……小夜は、毛深い方がお好みですか?……髭位なら伸ばせますが…しかし」
そう言って自分の胸元、白いシャツの下を窺う。
「…そうじゃないよ」
「では…本当にクマに…」
擬態しましょうか?…とジャケットに手を掛ける。
「ハジッ!ふざけないで…」
「ふざけてなどいません。小夜…私は真面目に…」
ああ、もう…。
これでは話にならない。最初に『クマになれ』だなんて意味の通らない事を言っ

ておきながら、話が横にそれるのを小夜はハジのせいにする。
小夜は立ち上がるとハジに背を向けて壁際に寄り添った。
「…どうしたというのです?突然…」
小夜はぎゅっと唇を噛んだ。
どうしたという訳ではない。説明のつかない感情に振り回されている事は小夜だ

って解かっている。
背後でハジが立ち上がる気配がした。
けれど小夜は振り向かず、ただ小さく
「来ないで…」
とだけ呟いた。
ハジはずるい。
ハジはいつだって、抱き締めてしまいさえすれば小夜の機嫌が直ると思っている

のだ。
けれど、慣れないオーケストラとの共演を無事に成功させ、そのままの体で打ち

上げに参加し、多くの人々に囲まれ気を遣い疲れ果てているだろうハジに対して

こんな態度を取るべきでない事は十分に小夜も解かっている。
本当なら自分の夫はこんなに素敵なのだと、世間に見せびらかして歩きたいくら

いなのに…。三年と言う短い活動期しか起きていられない小夜に比べ、ハジはい

つしか自分の世界を持っていた。
光のあたる輝かしい舞台で脚光を浴びる。
抱え切れない程の美しい花々、メディアから取材を受け、世界中のオーケストラ

から出演の依頼が舞い込む。
彼は今、チェリストとして最高の成功を手にしているのではないか。
そんなハジに対する小夜の気持は、複雑だ。
ハジを誇らしく思う気持ち、望む事をさせてあげたいと思う反面、こんな素敵な

夫を人目に触れさせたくないとも思う。
ハジのチェロは昔から小夜にとって大切にしまっておきたい自分だけの宝物の様

で…。
彼が小夜の眠っている間に、様々な知識を吸収していく様は憧れもするけれど、

妬ましくもあり…。
「小夜…」
心配げな声に絆されて、小夜は渋々ハジを振り返った。
ハジは拗ねて唇を尖らせる小夜に、ほんの少し安心したような表情を覗かせた。
敢えて壁際に追い詰めるような真似はせず、小さく吐息を吐いて再びベッドに腰

を下ろす。
「…そんな表情をしないで…。小夜…」
「だって…」
「私にまずいところがあったというのなら、今すぐに改めますよ。さあ、どうか

理由を話して…」
「ハジ…」
「そんな風に一人で拗ねないで…」
「拗ねてなんか…」
そう言いかけて自分の態度があまりにも子供っぽい事に、ほんの少し反省する。
ハジはいつだってこうして、決して声を荒げる事無く自分を待っていてくれるの

だ。
そんな小夜の意を酌み取ったのか、ハジがそっと表情を緩ませた。
その場の空気がふんわりと和むのが分かった。
ハジが、小夜のその大好きな指先で、落ちかかる前髪を描き上げた。
時に繊細で、時に大胆で情熱的な、あのチェロを奏でる美しい指先。
ぽっと、小夜の頬が赤らむ。
「小夜…おいで…」
流れるような仕草で、ハジの手が小夜に差し伸べられる。
小夜は瞬時に全身の血が逆流するかのような熱を感じた。
「…ハジ…」
「ここへおいで…」
ふらふらと導かれるままに小夜はハジの前に立っていた。抵抗する事など、考え

られもしない。
「さあ…」
座ってと促され、小夜がハジの隣に座ろうとすると、彼は黙って、こちらですよ

…と小夜の腕を引く。
虚を突かれるように、小夜はすとんとハジの膝の上に座っていた。
優しく髪を撫でて、すぐ間近に青い瞳が覗き込んでいる。
「きちんと訳を話して下さらないと、心配しますよ」
そんな事を言わずとも、ハジは小夜の心配ばかりをしているのだけれど。
「…ごめんね」
謝罪の言葉は、思うより簡単に唇から零れ落ちた。
こんな間近で覗きこまれては、心の底まで見透かされてしまいそうで、小夜の不

器用な嘘など、とても通用しないように思われた。
「…ですから、小夜は毛布の様な毛深い男がお好みだと仰るのなら…」
「…なんで話がそこに戻るの?違うわよ…」
覗き込む青い瞳が笑っている。
つられて小夜の口元にも、柔らかな笑みが戻る。
ハジの腕がそっと小夜の肩を抱いた。
「もし、貴女がやはりこの様な活動を望まないというのならば、私は今すぐにで

も引退しますよ…小夜。私は今の立場に一切の未練はありません。私は私です」
「…違う。違うのよ…。そうじゃなくて…」
小夜はぎゅっとハジのジャケットの袖口を握り締めた。
「あのね、全部私のヤキモチなの…。ハジが皆に注目されるのは嬉しいくせに。

それなのに、すごく…遠い人になっちゃったみたいで。私だけのハジなのに…。

ハジのチェロは私だけのものだったのに…って」
ハジは穏やかな表情で小夜を見詰めている。
「…小夜はいつからそんなに心配症になったんですか?私は今も昔も貴女一人の

為に存在するのですよ。それにどの様な場所で演奏しようが、私のチェロは貴女

一人の為に音を紡ぐのです」
ひとつひとつの言葉を、諭すように語って、ハジはそっと小夜の髪を撫でた。
「…だって」
「ではもう、いっそ引退してしまいましょう。所詮、そう遠くない未来…いつか

は引退しなければならないのです」
「でも、でも…演奏家として世界を舞台に活動する事がハジの夢だったのではな

いの?」
そうだ、ハジはあんなにもチェロが好きで、きっと条件さえ許したならいつだっ

て、こうした華やかな世界で活動できたのに。
「夢?」
さも意外そうなハジの声。
「私の夢ならば、もう叶いましたよ」
今度はきょとんと小夜がハジを見つめる番で…。
「私の夢は少年の頃から変わりません。小夜。…貴女の夫となる事です…」
「もう…。ふざけないで…」
「先程から、ふざけてなどいませんよ。ついでに言うなら、公の場で貴女を『私

の妻です』と紹介したかった。…それも叶いましたしね…」
ハジの唇が優しく小夜の額に舞い降りる。

聞いている方が恥ずかしくなる程だが小夜はいつまでも聞いていたいと思った。
彼の妻として、あらゆる場所でハジにエスコートされて、出会う人、関係者、そ

の度毎にハジはぎゅっと小夜の肩を抱いて前に進めると「私の妻です」と小夜を

紹介した。
その時の、どこかくすぐったく恥かしい気持ちが、見る間に小夜の中に蘇る。
結婚しているというのに、どうしてこんな些細な事で胸が高鳴るのだろう?
「…それももう止めです。…こんなに可愛らしい貴女を外に出したら、おかしな

虫が付きかねません」
ハジの手がそっと小夜の腕を取った。
深くその胸に抱き寄せられる。
息が詰まる程の力強い抱擁に、小夜の心のわだかまりがするすると解けてゆく。
やはりハジは自分の事を抱き締めさえすれば機嫌は直ると思っているのだろうか

…しかしその通りなので素直に小夜はその腕に身を任せた。
「それは私の台詞でしょ。ハジ…CDのジャケットに写真を載せた途端に女性フ

ァンが急増したって。普段クラシックなんか聞かない女の子まで…」
だからいっそ、ハジがクマにでもなってしまえば自分がハジを独り占めできると

思ったのだ。
小夜の言葉に、ハジはしばし黙って思考を巡らせる。
「もしかして…、小夜はそれで…私にクマになればいい…だなどと…?」
「………」
小夜の沈黙を肯定と受け取って、ハジが喉の奥で声を殺して笑う。
「……さすがにそれは思いつきませんでしたね。…私は幾ら貴女が可愛かろうと

貴女に子猫になれとは言いませんよ」
例えば、この腕の中にずっと閉じ込めておこうと思ってもね…。
そう付け足して…。
小夜に深い口付を与える。
「ハジ…待って。シャワー…」
男の体が小夜を抱き締めたままゆっくりと後ろに倒れてゆくのに、小夜は慌てて

悲鳴を上げながらも敢えて抵抗を示す事無く、二人は深く沈む羽根布団の上に転

がった。
「少し運動して、それからご一緒しましょう…」
「や…ん」
鼻先でオーガンジーをかき分ける様にして、ハジの唇が小夜の喉元に触れた。
やっぱりハジは、小夜の機嫌を直す方法を心得ているのだ。
細い腕を大好きな広い背中に巻きつけて、彼の施す口付にうっとりと瞼を閉じな

がら、小夜はふと思う。
「…ねえ、ハジ。どうして私が子猫なの?ねえ?」
「…一晩かけて、ゆっくり教えて差し上げます。小夜…」
鼻にかかる甘い鳴き声も、ベッドで丸くなる姿も、そして気まぐれな素振りも、

そっくりだと思うのだが…。
第一、可愛らしいじゃありませんか?
…とは口に出さず、ハジは腕の中の少女にそっと笑い掛けた。

 

                                         ≪了≫


20080703
ああ、もうなんじゃこりゃあ。
このお話はですねえ。先日、Sさまのブログで話題に上がりました
ハジがプロの演奏家になってて〜というネタから生まれました。
Sさま勝手にすみません!
それと、少し前に某所のPBBSで、ハジに言わせたいセリフという話をEさまとしまして
たまたま先日のオフ会で話題になったというセリフが私の言わせたかったセリフとビンゴ!
そしてEさまの言わせたかったセリフともビンゴ!(笑)
なんかすごく嗜好が似てるんじゃあないですか?Eさま!!
〜Eさまにはメール差し上げたんですが、その二つがきっかけで書いた話であります。
それはもう、小ネタも小ネタ、こんなハジあり得ない…様な気がしますが、最近裏ばかり書き過ぎて
どっか壊れてるらしいです。私もハジも。最近ハジ強引なんですよねえ〜。
すみません、単なる痴話げんか〜な二人です。
〜〜〜〜で、言わせたかったセリフってのはもうお判りかと思いますが、「おいで」だったりします。
ひとまず自分一人で満足しました。ああ、楽しかった。