タイトルなんてありません。単なるエロ連載です。
<4>
20071106


「…ハジが…欲し…い…の…。おねが…い…。ハジ…」
首を反らして訴える少女の頬に、男はそっと唇を寄せる。
「…指は、お気に召しませんでしたか?」
「……ハジ、違…っ。っ…んあ…ああん…」
小夜の内部で蠢く男の指が、深く内壁を探り翻弄する様にその激しさを増す。
内部に齎される刺激にあわせ、小夜の背が大きく揺れて再び崩れ落ちる。
男の腕に腰を預けたまま、上半身を支えていた腕が力を失う。冷たい大理石の天板が直に小夜の胸に触れ、そのまま半身の重みを受けるように柔らかな胸が押し潰される。
「小夜…」
ハジは小夜を翻弄していた指を引き抜くと、愛しげにその白い背中を撫で、ついで自らのベルトの金具に指を掛ける。
小夜はぼんやりとした脳裏の片隅でその気配を察し、じっとその瞬間を待った。
間を置かず、ハジの腕が小夜の腰を抱え直す。
「小夜、もっと上げて…」
言われるまま、小夜は力なく砕けた腰をハジに向ける。いつも、いつも、まるで繊細なガラス細工を扱うように…小夜の事を大切に扱うハジが、こんな場所で、こんな姿勢で体を繫ごうとするのは初めての事で、小夜はハジのリードに任せながらもどうして良いのかが解らない。
ハジが欲しいと言えば、当然ベッドまで連れて行って貰えるものだと思っていた。
けれど、もう抵抗するだけの余裕すら無く、小夜の体はハジを欲していた。
「ああ、ん…ハジ…」
小夜の柔らかな皮膚に、つんと硬い先端が触れる。
それは緩々と小夜の濡れた割れ目を探るように蠢き、同時に男の両腕が軽々と小夜の腰を持ち上げる。
「小夜…」
低く囁くようなハジの声も、いつもよりずっと熱っぽい。
「っや!!……待…って…ああんっ…」
熱く名前を呼ばれたその直後、下から突き上げるように、ハジのそれが小夜の中に侵入を始める。覚悟していたとは言え、咄嗟に声が漏れる唇を小夜はきつく噛み締めた。
指とは違う圧倒的な質量、
いつも最初は痛みを伴うその行為にきつく目を閉じて耐える。
最初だけ…痛むのは一瞬の事で…、一旦全てを飲み込んでしまえば、身を切られるような痛みも徐々に和らぐ筈だ。そしてそれはゆっくりと時間を掛けて小夜の全身を快感の波に浚ってくれるのだ。
小夜はじっと男の動きに身を任せている。ハジの体格に見合うその大きなものは、小夜の零した甘い蜜の助けを借りるようにして、
休む事無く狭い小夜の内部を征服していく。
痛みと、圧迫感。
完全にハジに身体を預けた形で、小夜は鳴いた。
「はあ…ん、ああ…」
やがてその根元までを小夜の内部に埋めると、ハジは大きく息を吐いた。
ひとつになったそこから、じわじわと広がってゆく甘い痺れ。
片手を滑らせるようにして、ハジは滑らかな小夜の背中を繰り返し撫でると、その大きな掌が皮膚の上を滑る度に、貫かれたままの小夜の体はびくびくと震えた。
小夜の体の中心で、言葉では説明のつかないもどかしい何かが生まれる。
どうにかして、そのもどかしい何かを突き止めたい衝動に駆られるのに、自分では思うように体を揺らすことさえままならない。
「小夜…痛い?」
体をやや倒すようにして、ハジが背後から小夜を労わる。
「……ん、んん」
たった一言、ううん…と答えたかっただけなのに、小夜の唇はその一言がうまく綴れない。
何とか首を振るようにしてそれを否定する。
痛む訳ではない、これは痛みとは違う。
痛みと呼ぶにはあまりにも甘くて、切ないもどかしさが小夜を支配している。
このもどかしさを何とかして欲しい。
体の中心、その奥深いところから湧き出てくるようなそれ、手で直に触れることの叶わないもどかしさ。
「い…や…ハ…ジ。…おね…が…い…。動い…て…」
苦しい姿勢を堪えて、小夜は僅かに腰をくねらせた。そんな無意識の媚態にハジがきつく眉根を寄せる。
「…小夜っ、暴れないで…。ただでさえ…狭いのですから…」
ハジは美しい曲線を描く双丘から、すらりと続く太股までを撫で上げると、ゆっくりと腰を突き上げた。
「っ痛…、ああんっ…」
小夜を大きな衝撃が襲う。ハジの言うとおり、小夜の内部は狭い。溢れる粘液の助けを借り、時間を掛けてゆっくりと解さなければ、傷を付けてしまいそうだ。
一旦、深く貫いたそれを、ハジはゆっくりと引いた。
欲しいと言う。
どれほどの時を経ても変わる事のない、その表情にはあどけなささえ残す少女が、ハジを…、男としてのハジを欲してる。それは建て前などではなく、この体はハジの愛撫に十分過ぎる程応え、小夜自身をも苦しめる程に。自分がそう仕向けたとはいえ、あられもなくドレスの裾を捲り上げ、白く美しい両足を淫らに開いて、自分を銜え込んでいる姿に、ハジ自身も眩暈を感じる程に追い詰められていた。
何も考えず、ただ己の欲を解放する為だけに、乱暴に突き上げたい気持ちを、ぎりぎりのところで踏み止まると、引き抜いたそれを再び彼女の奥深くへと突き立てる。
きつく絡みつく内壁の襞がこすれる度に、小夜はああ…と切なく泣いて、ハジを締め付けた。
よく濡れる。
繰り返し小夜の体を揺さぶりながら、ハジはその濡れた感触を楽しんだ。
いつもと挿入する角度が違うだけで、まるで小夜は初めてのように感じる。
それ自体はいつもと同じ行為であるはずなのに…。
触れる事の叶わない、小夜の体の深いところを擦り上げる、その微妙な感触さえいつもとは違って感じるのだろうか。
「や…いや…、も…駄目、ハジ…ハジッ…」
求められるままにハジはペースを上げた。
「小夜っ…」
                                                  

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